KATHMANDU/カトマンズ
中国とはガラッと空気が変わった。宗教も服装も臭いも違う。サリーを身に纏った女性が街を歩き、旅行者の数も多い。チベットの香りは残っているものの、中国のように規制もされず誰もが自由に信仰を深めることができる。なんでもあって、便利な街かと思いきや、電力も水も慢性的に不足しているようだ。
PATAN/パタン
カトマンドゥからバスで20〜30分の場所にある街。「美の都」と呼ばれるほど美しい道並みが魅力で工芸の街としても有名。オフシーズンだからか観光客も少なく静かな下町風景を楽しみながらゆっくり回れた。特にゴールデンテンプルとダルバール広場が個人的にお気に入り。コンパクトで日帰りショートトリップにちょうどいい。
BHAKTAPUR/バクタプル
カトマンドゥ盆地第3の都市。日本でいうところの京都的な感じで、私のお気に入りの映画「リトル•ブッダ」のロケ地にもなったらしい。古きよきネワール文化の残る街で、夜になると寺院前で信者が宗教家を歌う声が聞こえてくる。ニャタポラ寺院があるトウマディー広場は特に雰囲気が良くて何時間でもカフェでボーッとしていられた。
NAGARKOT/ナガルコット
カトマンドゥ周辺にいくつかあるヒマラヤ眺望スポットの一つ。乾期はアンナプルナを含む東西200kmに渡るヒマラヤ山脈を見ることができる。残念ながら6月は雨期のためヒマラヤは見えなかったものの、涼しい気候と緑豊かな自然に癒された。ここの「ノリタケコーヒー」にはとんねるずのノリさんそっくりのオーナーがいるらしいが、こちらも残念ながら不在で会えず。
BOUDHANATH/ボダナート
多くの亡命チベット人により支えられてきたボダナートには毎日たくさんの巡礼者が訪れている。チベットを通ってきた僕たちは、ボダナートに着いた途端、懐かしい臭いを感じた。ここは「ネパールの小チベット」のようだ。ストゥーパの周辺には、たくさんの宗派のゴンパが点在していて、多くの外国人も修行をつんでいるらしい。久々にチベットの空気に触れると、またチベットへ戻りたくなった。
ANNAPURNA/アンナプルナ
NAYAPUL → ULLERI
トレッキング初日。タクシーで出発地点の「NAYAPUL」へ向かう。「まずはお茶など…」と出発の気配さえ見せない我ら。重い腰を上げると荷物がかなり重かった。あまりの荷物の重さにチェックポイントに向かうまでにすでに後悔をし始めていた。そんなこんなでのんびり歩いていたら、宿泊予定地の「ULLERI」には到底着けそうもないことが判明。ペースを上げるも、最後の階段がきつすぎるわ、雨が降り始めるわで、結局、「ULLERI」の端っこの宿に泊まったのであった。
ULLERI → GHOREPANI
前日の反省を胸に、ハリキッテ出発!…したものの、いきなりの階段責めに早くもココロは折れてしまい、重い荷物の後悔と痛む足腰を引きずりながら次なる目的地GHOREPANIを目指す。GHOREPANIは下の村と上の村があり、ヒマラヤの山々が見晴らせる上村(ゴレパニ•デオラリ)がトレッカーが目指す場所。ゴレパニの街からさらに1時間登った所にあるプーン•ヒルという丘からはヒマラヤを360度見渡せる。
GHOREPANI → TADAPANI
ゴレパニでほんのちょっとだけではあったがヒマラヤの山を見ることができたので、今度は大本命アンナプルナB.Cを目指す!3日目の宿泊地タダパニも、正面にマチャプチャレがそびえる景勝地だが、残念ながら雨のためまったく見えず。でも可愛い客引きの少年に誘われて泊まった宿は、停電していたが雰囲気が良く、楽しい一夜が過ごせた。
TADAPANI → CHOMRONG
地図で見ると目的地の「CHOMRONG」は標高的には低い所にある。しかし、道中大きな川がある。そこを橋で渡って越えるということは、いったん一気に下ってまた上がるということなのだろう。「どうせ、なだらかな下り坂というわけじゃないんだろぉ!」ここまで来るとなんとなくトレッキングというものがわかってきた…最初は晴れて気持ちの良かった日差しも、後半は急に姿を隠し代わりに豪雨がやってきた。本日も盛りだくさんな一日であった。
CHOMRONG → HIMALAYA
「CHOMRONG」からはいよいよ本格的なトレッキングが始まる。最初の目的地の「SINUWA」は「CHOMRONG」から見えているのだが、やはりここにも集落と集落の間に川があり、川までひたすら下ってただただ上らなければならない。その後はさらに上りが続く。我らの膝はそろそろ悲鳴をあげ始めている。
HIMALAYA → ANNAPURNA B.C
本日が最後の登り。長かったトレッキングももはや佳境を迎えている。羊たちの群れを避け、モディコーラ沿いをひたすら歩く。道中アイスバーンがあって、その上を通過しなければならないのだが、足を滑らすと激流のモディコーラに真っ逆さま!という場所がある。脚を震わせながらなんとか通過してしばし歩き続けると「マチャプチャレ B.C」に到着する。そこから最終目的地の「アンナプルナ B.C」までは1時間強だ。思いのほか緩やかな道。脇には小さな川が流れている。霧が濃くて周囲を見渡すことはできないが、これまでの風景とは違うのがわかる。もうゴールは近い!
ANNAPURNA B.C → CHOMRONG
日暮れ間近に奇跡的に霧と雲がとれて我らに姿を見せてくれたヒマラヤの山々。今朝もその勇姿を我らに見せてくれた。360度ヒマラヤの山々に囲まれて誰もが見惚れている。大きすぎる自然に触れ喜び驚き畏れ戦く。「マチャプチャレ B.C」までの道もとてもきれいだった。昨日は濃い霧のせいで周囲を見渡すことができなかったのだが、実はマチャプチャレを背負って歩いていたのだ。清らかな小川と色とりどりの小さな花。そして眼前にはマチャプチャレがそびえる。ここまで登って来た者だけが味わうことのできる至福の時だ。
CHOMRONG → NAYAPUL
上まで登ったら当然下山が待っている。トレッキング中に出会った旅行者が「是非ポカラまで一緒に帰ろう!」と誘ってくれた。けれど、わずか2日間で下山をする彼のペースについていけるか不安で曖昧な返事を繰り返す我ら。そんな我らに愛想を尽かすことなく声をかけてくれる彼。そんな彼の好意を無駄にしてはいけない!と一念発起してハードな下山に挑んだ。けど、これが予想していたよりもさらにキツく、2日目はもう卒倒寸前だった。しばらくまともに歩けないくらいになってしまったが、人間やる気があればなんとかなるもんだな、と改めて感じた次第。
CHITWAN/チトワン
トレッキングを終えてポカラで静養してカトマンズに帰ってきたのだ。しかし、次なる目的地バングラデシュへは一週間先の航空券しか取れず、暇を持て余したので「チトワン国立公園」へ遊びに行くことにした。ただ、時期が時期なだけに見られる動物も限られているという。それでも「サイが見られればいいのだ!」と昂揚気味にチトワンに乗り込んだ。