ANURADHAPURA/アヌラーダプラ
空港到着後、ニゴンボに行く予定だったが、特に観るべきものがないことと、旅も終わりに近づき金銭的不安も抱えていたため、アヌラーダプラにその日のうちに移動することにした。空港からローカルバスに揺られること6時間。ここにはブッダガヤから伝わった菩提樹や巨大な仏塔がありたくさんの人々が祈りを捧げていた。しかしわれらが訪れる少し前に、外国人の遺跡地区への入場料が大幅に値上がりしていたため遺跡内には入らず周辺の寺院を見て回った。スリランカの物価の高さにガクゼンとしたが、街自体はキレイだったし、何でも揃うので便利で快適に過ごせた。
SIGIRIYA/シーギリヤ
シーギリヤに行ったのはもちろん「シーギリヤ・ロック」と「シーギリヤレディ」を見るため。遺跡の入場料が軒並み値上がりしていたためポロンナルワは断念したが、やはりこれは見逃せない!アヌラーダプラからダンブッラを経由してやってきたシーギリヤは、ガイドブックに書いてあった通り、道路沿いに民家と商店と宿が数件並ぶだけの本当に小さな町だった。宿もレストランも高くて長居してのんびり滞在できるような雰囲気ではなかったが、目の前にそびえ立つ巨大なシーギリヤ・ロックは圧巻の迫力!シーギリヤ・レディもテレビで観る以上に美しかった。ロックのてっぺんで眺める景色と夕日は本当に素晴らしかった。
DAMBULLA/ダンブッラ
シーギリヤと共に、スリランカで必ず訪れたかった街。ここにある石窟寺院は壁画が素晴らしいことで有名。タイやミャンマー、チベットなどもそうだが、仏像も仏画も寺の様式も、その国独自のスタイルがあって見ていて楽しい。ちなみにスリランカの仏様のお顔は荒川良々に似ている(とわれら夫婦の間で盛り上がった)。石窟寺院の目の前に安宿が並んでいるので散歩感覚で観に行けて便利だった。街自体はものすごく小さくて特に何もないが、旧市街までいけばローカルバーやスーパーもあるので快適に過ごせた。
KANDY/キャンディ
スリランカ第二の都市。ダンブッラからローカルバスで2時間くらい。クイーンズホテルなどコロニアル様式の建物があり、キャンディ湖の周辺はヨーロッパのような落ち着いた雰囲気と、南国のおおらかでカラフルな雰囲気が溶け合ってなんともいい感じだった。せっかくキャンディに来たのだからと湖の近くのアコモデーションに宿泊。湖沿いはスリランカ人のカップルやファミリーの憩いの場で、穏やかな日差しのなかくつろぐ彼らを眺めながら散歩したり、美味しいベーカリーを巡り歩いたり、夜はローカルバーで地元のオジさんたちに混じってライオン・ビールを飲んだりと、かなり贅沢な時間を過ごせる街だった。
NUWARA ELIYA/ヌワラ・エリヤ
ヌワラ・エリアというと紅茶のイメージしかなかったが、今回の旅ではここはとばしてエッラという山間の景勝地に行くつもりだった。ところがキャンディで色々情報収集するうちに「エッラは物価が高い」「ヌワラ・エリアなら少し安く過ごせる」という意見が多く、試しにヌワラ・エリアにも寄ってみることにした。列車から見る茶畑と丘陵地帯の眺めは最高だったし、ティーファクトリー見学もおもしろかったのだが、寒さと雨と、何よりのんびりお茶ができる場所が街中になかったのが残念。でもウィンザーホテルのパブリックバーは最高だった!
ELLA/エッラ
エッラは眺めの良いことで知られる小さな峠の村。静かで涼しくのんびり過ごすにはいい環境だが、観光客に人気がある場所なのでレストランやホテルなどの物価が高い。それでもなんとも言えず居心地が良かったので、食パンと目玉焼きと紅茶の食事でしのぎつつ3泊もしてしまった。地元民向けのローカルな食堂とバーが一件ずつあり、これがまたいい感じで毎日通った。
HAPUTALE/ハプタレー
日本で旅行計画を練っている時から気になっていた町。特に理由はないけど、とにかく茶畑に囲まれてのんびりしたい!という欲望にかられてやって来た。キャンディ、ヌワラ・エリヤ、エッラを経てたどり着いたハプタレーは観光客があまりおらず、地元民の生活感と周囲にひろがる茶畑が本当に素敵な町だった。ちなみにガイドブックに書いてあった「リプトン・ティーファクトリー」はどうやらすでにリプトン社の工場ではなくなっているらしい。そこらの商店で売っている量り売りの茶葉でも十分に美味しかった。
GALLE/ゴール
ハプタレーからバスを乗り継ぎ乗り継ぎして、8時間かけて南部最大の街であるゴールにやって来た。スリランカで僕が知っていた数少ないかつての貿易港だ。砦に囲まれた旧市街、そこに打ち寄せる高波。その姿をテレビで観て、大航海時代に思いを馳せたりしていた。けれど、ハプタレーからゴールに来る途中、いくつもの素敵な街や海岸線を抜けてきて、「途中下車」という言葉が脳裏に何度も浮かんだ。「ゴール」という街に憧れはあったが、きれいな海を見ながらバスに揺られているとそんな思いが消えてしましそうだった。ただ、ハプタレーの次の街は、今回の旅で最後の滞在地だった。つまり、「ゴールの場所」だったのだ。そこで、ただただ語呂遊びという意味でこの「ゴール」の街にやって来た。観光地で物価も高いけど、旅の終わりに静かに沈む夕日を拝むことができた。